PCの基礎を知れ!まずは歴史からだ!PC-8801mkⅡSR

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前回のPC-8001から6年、1985年にPC-8801・PC-8801mkⅡの後継機『PC-8801mkⅡSR』が発売されました。

PCの基礎を知れ!まずは歴史からだ!PC-8001
PCの基礎を知れ!まずは歴史からだ!PC-8001(2)

前回のPC-8001とくらべると、ビジュアル・サウンド・外部記憶装置、全てが大幅に機能向上していました。この頃にはゲームなどは質も向上し、読み込みに時間がかからないようになったことから、複数人で遊べるゲーム機代わりとして成り立つようになっています。

ビジュアル

ピクセル単位での色指定、512色から選んだ8色を表示できるようになりました。解像度も640×400が可能になったことでグラフィックと呼べる表示が可能になりました。

ですが、400ラインモードではVRAM容量の少なさから発色数が限られていたことから、メジャーな解像度モードは640×200となっていました。この頃から表現できる色を増やすためにタイルパターンという技術が使われるようになっています。この技術はPC-9801シリーズ全盛期まで広く使われていくことになります。

タイルパターン

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サウンド

このPC-8801mkⅡSRからヤマハの音源が採用されました。この機能では音色・音程・音量を自由に変更できる機能で初期は最大6和音でした。シンセサイザーのようなデジタル音ですので音声出力には無理がありましたが、BGMやSEとしては充分な機能が実装されていたと言えます。

外部記憶装置

PC-8801mkⅡより内蔵型の5インチフロッピーディスクとなりました。これにより高速なプログラムやデータの出し入れが可能になり、よりコンピューターの可能性が広がりました。

5インチフロッピーディスク

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ソフトウェア

しかし、このような高機能化によりソフトウェア開発のコストはあがり、販売価格も年々高騰していきました。PC-8001時代では3000円〜5000円程度だったものが5000円〜8000円となり、ファミリーコンピュータ全盛期になると値段と友人とのゲーム交換などの親和性を考慮するとファミリーコンピュータが優位になってしまう傾向がありました。

ただ、フロッピーディスクである事で、ディスク交換によるデータ量の多さを活かしたゲームや、画像に自由度が高かったことなどを優位に使ったゲーム、また低年齢層には少し難しいシミュレーションゲームやアドベンチャーゲームなどの分野においてファミリーコンピューターでは発売・開発が難しいとされるものが多く発売されていました。

以下の動画の中ではPC-8801mkⅡSR版の発売日をあげていますが、移植版なども多数含まれているので他機種を含む販売時期ではもう少し古いものもあります。

この頃のゲームメーカーは既にないものもありますが、現在は大手となったスクェアなどが世に出始めたのはこの頃からです。ファミコン全盛時代よりも数年前なんです。

この頃からソフトウェア製作者とユーザーが別の存在へと確立されていきました。開発環境の基本はアセンブラでしたが、Basicのように標準実装されたソフトウェアではなかったので、開発会社独自のものや高価な開発専用ソフトウェアが主体へと変わっていったのではないかと思います。一般書店に見られた開発専門書としてニーモニック辞典や簡易アセンブラを掲載したマシン語入門といった書籍が発売されていました。

他機種

この頃にはX1(シャープ)、FM-7(富士通)などといったNEC以外の同程度の機能を持った機種も発売されていました。当時のパソコンは互換性が全くないためソフトウェアは同一メーカーでも機種毎に発売する必要がありました。また、記憶媒体も発展途上にあったので同シリーズの中でも8インチ・5インチ・3.5インチのフロッピーディスク版があったり同じサイズのフロッピーディスクでも記憶方式が違うものがあって別々のパッケージとして売られていたため購入時には細心の注意が必要とされていました。

ソフトウェア購入時にはパッケージに対応機種が細々と書かれていたのでよかったのですが、データ保存用のブランクディスク購入では非常に間違えが多かったと思います。

X1

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FM-7

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他にもゲームに特化し数社から販売されたMSXは規格が同一で販売メーカーが別であるにも関わらず同一のソフトウェアが使用でき、さらにフロッピーディスクではなくROMを重視していたためフロッピーディスクよりも読み込みが高速であったためにゲームフリークにヒットしました。

MSX

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PCの基礎を知れ!まずは歴史からだ!PC-9801

出典
貧乏人のためのCG講座
Youtube 12345