浅井氏滅亡後、秀吉が長浜城主を勤めていた頃、ねねが多くの土産を携え安土の信長のもとへ久しぶりに挨拶に行きました。この頃秀吉は、多くの側室を持つようになっていたようです。このとき、ねねはそれが不満で信長に愚痴をこぼしたようです。
後日、信長は土産への礼状としておねへ宛て手紙を送ります。
そなたは以前よりはるかにきれいになった。そんな女房をもちながら不満を持つとはけしからんやつじゃ!あの“禿げネズミ”(秀吉のこと)がそなたのような女房と二度と出会うことはないのだから、今後は気持ちを明るく、(正室として)どっしり構え、嫉妬心など抱いてはいかん。
しかし、夫の面倒を見るのも女房の役目なのだからいいたいことも少々我慢するように。なお、秀吉には意見しておくから安心しなさい。
戦国時代 : 信長と“おね” ーより引用
まず褒め、同意し、あとで優しく諭しています。
最後に「意見しておく」と安心させる。ねねが読みやすいようにひらがなを多用して書いてもいるそうです。
後半にいけばいくほど文字が小さくなっており、優しさから言いたいことが増えていった事が伺えます。
残酷さや、横暴さがよく取り上げられる信長ですが、それも身内への優しさから出てきたものなのかもしれませんね。
- 出典
- 戦国時代