ホームページを作りたい、プログラムを組んでアプリをつくりたい。そう思う人達はたくさんいると思います。ですが、パソコンをどれだけ理解しているのでしょうか？写真が勝手に画面に映像を創りだしてくれるとか思ってませんか？自分の思ったとおりに映像化することはそんなに簡単じゃないんです。まずは日本のPCの過去を少しだけ覗いてみませんか？
１９７９年、はじめて国産PC「日立のベーシックマスター」が発売されました。半年ほど遅れてNECの「PC-８００１」が発売されます。今回はこのパソコンについてです。
当時のゲーム
DUNGEON/光栄
聖剣伝説/コムパック
マリオブラザーズ/任天堂(ゲーム画面は8分30秒頃)
スペック
CPU
８ビット「Z８０互換」、計算処理をするコンピューターの心臓部です。現在のCPUは６４ビット以上ですので、数字からも現在とくらべてかなりの低性能であることがわかると思います。このビット数というのは計算命令の種類数や扱える数字の大きさに関わっています。因みに８ビットというのは８個のオン/オフであらわせるデータという意味で、８ビットだと０から２５５しかあらわせないことになります。簡単にいうと数字とアルファベットと計算記号程度が１文字あらわせる程度のデータ量です。
ROM
２４KB、ROMというのはリードオンリーメモリーのことで書き込み不可なメモリーです。これは今でいうBIOSみたいなものがハード的に書き込まれている領域と思ってください。壊れない限りずっと同じ内容が書き込まれています。このメモリーに電源をいれて起動したときの機械の最初の挙動命令が書き込まれています。２４KBというのは２４キロバイト、１バイトは先に説明した８ビットと同じ大きさです。１キロバイトは１０２４バイトですので２４キロバイトだと２４５７６バイトということになります。PC-８００１の場合は、このサイズのプログラムで挙動命令とN-BASICと呼ばれるプログラム言語をコンピューターに理解させるためのインタプリタというプログラムが組み込まれていました。
RAM
RAM１６KB、ランダムアクセスメモリーのことでこちらは読み書きが可能なメモリーです。N-BASICも実行にこのメモリーを使用しますが、ユーザーが作ったプログラムやデータはここに格納され実行されます。電源を落とすと消えてしまいます。
外部記憶媒体
ハードディスクもない時代です。フロッピーディスクは発売当時はまだ一般発売はありませんでした。パソコン屋さんもない時代ですから当然ですね。テープレコーダーでカセットテープに機械音を録音することでデータを保存し、音声をデータに変換することでデータを復元していました。
ネット
インターネットなどは存在しない時代でしたが、音響カプラなる機械を使うことで離れた場所のPCに接続することは可能で、１９８４年頃にはPC-VANといったネットワークサービスも試験運用レベルで始まっていたと記憶しています。正式な運営開始は１９８６年らしいので当時どのようなサービスが行われていたかは不明です。
映像
まだグラフィックに対するアプローチが未熟な時期でテキストベースでの映像構成となっていました。文字を８０文字×２５行を表示することが可能でした。１文字のスペースに２ピクセル×４ピクセルのドットが表示できますが、１文字スペースの中では１色しか表現できませんでした。また１行の中で色を変更する回数に制限がありました。
サウンド
サウンド機能は搭載されていなかったので、ビープ音という「ピ」という機械音を連続でオン/オフを繰り返して音程を表現したりしていました。例えば「ピ・ピ・ピ」という音を最短で鳴らすことで「ブー」にしたりという事をしていたのです。
まとめ
いかがでしょうか？当時の雰囲気は伝わりましたか？ですが、紹介したゲームもパソコンショップも少ない時代ですので手に入れ難かったのではないかと思います。当時はゲームのショートプログラムが掲載されているパソコン雑誌や専門書が多数あり、そこから気に入ったゲームを数時間から数日かけて打ち込んで遊ぶ、という方法が主流だったと思われます。現在はハードやプログラミング言語なども発達し、コンピューター上でなにかを表現することに対し、便利になった側面もあれば、逆に大幅に手間がかかるようにもなりました。
このような過去の遺産からハードやコンピューターの仕組みを理解しておくとなにかと役に立つこともあるんじゃないでしょうか？
