WIREDに掲載された『メモを取っても記憶は定着しない:研究結果』という記事が話題になっています。
メモを取っても記憶は定着しない:研究結果
こちらの記事では、神経衰弱でメモを取らずに記憶をした学生とメモを取って記憶をした学生(ただしメモは没収される)をくらべて、メモを取っていた方の学生は成績が悪かったという研究結果について書いています。
この研究によって、最近のコンピューターに情報を保存する事は情報を思い出せなくなる事になるのでは?としています。
これに対して、ネットでは「メモを読む行為が出来なければメモを取った意味がない」といった主旨の意見が多くでています。
反復行動による長期記憶
多くの人は、単語帳や語呂併せによる記憶をしたことはあるはずですよね。単語帳を作った時点では当然内容は覚えられません。ある程度の間隔をおいたりして、何度も確認して覚えます。脳に頻繁につかう知識であると誤認させるために同じことを定期的に行うことで記憶します。
この研究ではそれと同じ効果を一回のメモ(一回限りのメモかどうかは明言されていませんが)に期待したのだと思います。
ですが、対象の学生はこのメモを取ることで、覚えなければいけない内容を理解していたのでしょうか?普通はメモやノートを取ると、記載した内容の詳細はその場では忘れ、概要とメモを取った事実のみを覚えておきます。このように認識していた場合は、当然メモを没収されてしまえば、正解率は格段に低くなります。
仮に正確に説明されていて、覚えるための行動としてメモを取っていたとしても、普段のメモの使い方と違いますし、メモを取るという行動をせずに覚える事に集中している学生よりもいい成績をだすのは難しいでしょう。
実用的な記憶方法
記憶というものは量に限りがあると言われています。メモのような外部記憶に頼るのは当たり前の行動です。
以下に記述する記憶方法は、本やコンピューターを使用できない試験のような場合や即興で話を思い出さなければならない人には実用的ではないと思いますが、それ以外の場合には、もしかしたら役に立つのではないかと思います。
本は他人が書いた外部記憶です。筆者はプログラマーで長い間、生計を立ててきましたので、たくさんの専門書やライブラリ辞書を購入し読んできました。ですが、ほとんどの場合、1冊の本に30分以上かけて読むことは稀で、大概は、10分ほどで見出しや挿絵などから概要を読み取り、目次位置を確認するだけで本棚に閉まってしまいます。
内容に目を通すのは、実際にその本に書かれている技術を必要とするときだけでいいのです。もちろん、自分の知識や理解が至らない技術などが記載されているのを見つけたときには、理解できるまで読みます。
最近では、インターネットに情報が集まり、古い情報も多く保存されているようになりました。このようになると、本を読みあさるよりも、ネットで検索したほうが早くなります。これまで、本に対して見出しや目次というインデックスを覚えていたものを、検索ワードという形で覚えることで欲しい情報がすぐに取り出せるようになりました。
購入した本のように検索結果が不変なわけではなくなりましたが、同時に新しい情報位置も見つけられるようになり、古い情報をどうしても取り出したかったらサイト名も一緒に覚えておけばよいだけですよね。本当に便利になったものです。
- 出典
- WIRED