米Moog Music社は1月17日(現地時間)、1973年に製造したアナログシンセサイザー(モーグ・モジュラー・シンセサイザー)3モデルを復刻し、販売することを発表しました。
今回復刻するのは『System 55』『System 35』『Model 15』の3モデル。いずれもオリジナル版を忠実に再現し、それぞれのブランドナンバーに合わせた台数をすべて手作りによって受注生産するとのこと。各モデルの販売価格及び生産台数は下記の通り。
System 55(キーボードはオプション)
価格 : 35,000ドル(約413万円) 生産台数 : 55台
System 35(キーボードとシーケンサーはオプション)
価格 : 22,000ドル(約260万円) 生産台数 : 35台
Model 15
価格 : 10,000ドル(約118万円) 生産台数 : 150台
復刻のきっかけはELPのキース・エマーソン
今回の復刻プロジェクトのきっかけは、エマーソン・レイク・アンド・パーマー(ELP)のキーボード奏者であるキース・エマーソン氏の伝説的なモジュラー・シンセサイザー『Emerson Moog Modular System』の復刻版を2014年にリリースしたことだったそうです。
キース・エマーソンの演奏映像
ショートフィルムを公開
米Moog Music社は今回の発表に合わせ、電子音楽のパイオニアのインタビューやモジュラー・シンセサイザーの演奏を紹介する約20分のショートフィルムを公開しました。『Back to the Future Sounds』と題されたこのショートフィルムは、全てオーバーダブなし、ワンテイクで収録されています。
『System 55』『System 35』『Model 15』の詳細は公式ページへ
Moog Music
モーグ・モジュラー・シンセサイザーのシステム
そもそもモーグ・モジュラー・シンセサイザーってどうなってるんでしょう。気になったので調べてみました。
モジュラー・システム(Modular System)は単独仕様の機種ではなく、発音、増幅、変調、制御等、シンセサイズ機能ごとにデザインされた複数のモジュールを、C型(コンソール)キャビネットまたはP型(ポータブル)ケースに必要に応じて組み込むことが可能なカスタム製品として商品化されたパッチ式のシンセサイザーである。
最初期のモジュラー・システムは、モーグが1963年11月にロチェスターで開かれたNew York State School Music Associationの会合でハーブ・ドイチ (Herb Deutsch)と知己を得て1964年7月〜9月に行った共同開発作業により製作された「The First Moog Synthesizer」である。本機は1982年にミシガン州のヘンリーフォード博物館に寄贈され現在も展示されている。
モーグ・シンセサイザー | Wikipedia ーより引用
日本のモーグ・シンセサイザー奏者 富田勲
日本のモーグ・シンセサイザーの第一人者と言えば富田勲さんですね。最近では初音ミクとのコラボでも話題となりましたが、彼が1970年代にモーグ・シンセサイザーに出会い、個人輸入した時に税関から軍事機器と疑われて、税関の検査場で数ヶ月間止められた話を語っています(笑)
まとめ
1970年代には日本でもほとんど演奏されていることがないレアな機材だったんですね。モーグシンセの音って新しくもあり、懐かしい感じもする独特な音がしますね。ちょっと値は張りますが、この音の魔術にはまった世界中の人からオーダーが殺到するかもしれませんね!